Beyond Limits 2025 Autumn 集合写真

EVENT REPORT

Beyond Limits 2025 Autumn

— ひょうご神戸でイノベーションの視座を高め、未来を創る1日。 —

DATE 2025.11.14 FRI
VENUE 起業プラザひょうご
PARTICIPANTS 140 名超
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OVERVIEW イベント概要

2025年11月14日(金)、神戸。
今年4月の初開催に続き、第2回目の開催を迎えた「Beyond Limits 2025 Autumn」。
ここから新しいイノベーションを生み出す出会いが始まる――そんな思いのもと、熱い志を持った140名を超える参加者が集まりました。春に開催した1回目の熱量をそのままに、スタートアップ、投資家、支援機関、そして挑戦者たちのエネルギーで溢れかえりました。

Beyond Limitsとは?

「スタートアップ業界の第一人者を神戸に集結。ゆかりある人々を巻き込み、エコシステムを拡張する。」

Beyond Limitsは、ひょうご神戸を拠点に、西日本エリアのスタートアップエコシステムを加速させるためのサミットです。

イベントは、参加者の視座を一気に引き上げる以下の3部構成で展開されました。

01

現役IPO社長によるキーノート

成功と苦労のリアルな体験談を共有。

02

最新トレンドをテーマにしたパネルディスカッション

業界の最前線を深掘りする議論。

03

ミドル・レイターステージのスタートアップピッチ

初期以降の成長戦略を知るプレゼンテーション。

また、もう1つの重要なテーマとして「ビジネス関係人口の拡大」があります。
兵庫県出身や神戸大学出身といった、ひょうご神戸にゆかりのある起業家を始めとするキーマンを巻き込むことで、このカンファレンスが、ひょうご神戸のイノベーションエコシステムとの結節点となり、イノベーションの土壌を広げて機運を高めていくことも狙いとしています。

開会挨拶 — 高田 厚 氏
OPENING

開会挨拶

高田 厚
神戸商工会議所 副会頭
新事業・イノベーション創出委員会 委員長

本イベントの共催者であり、神戸商工会議所 副会頭・新事業・イノベーション創出委員会 委員長の高田氏は、挨拶の中で「日本経済の変革にはスタートアップの育成が不可欠です」と強調しました。

神戸が持つ医療産業都市としての蓄積や大学群の存在、国際性といった強みを最大限に活かし、約1万2,000社におよぶ商工会議所の産業基盤をスタートアップに開放することで、全国、そして世界へ挑戦する企業の後押しをしていくと力強いメッセージを送りました。

KEYNOTE SESSION 上場社長の創業から上場までのリアル、経営と成長戦略

基調講演 — 佐渡島隆平 氏

「変人であれ。泥臭くあれ。」

佐渡島 隆平
セーフィー株式会社 代表取締役社長CEO
(神戸市出身・甲南大学卒)

オープニングは、神戸市出身・甲南大学卒で、クラウドカメラ市場において国内トップシェアを持つセーフィー株式会社の創業者で、代表取締役社長CEO 佐渡島 隆平 氏から、創業期のリアル、PMFのプロセス、ファイナンス戦略、事業成長の本質をリアルに語っていただいたキーノートです。

「変人から産業が生まれる」という学生時代からの哲学を皮切りに、創業からIPOに至るまでの道のりを、包み隠さず赤裸々に語ってくださいました。

誰もが知る成功企業の華やかな側面ではなく、創業初期の「泥水をすする」ような苦労の連続と、そこからいかにしてPMFを手繰り寄せたかが焦点となりました。

PMFはほぼ必ず"想定外の方向"からやってくるので、最初のアイデアに固執せず、現場(顧客)が使い始めた方向に素直に寄せていくことも大事と、ご自身のPMFを実例にお話しいただきました。

また、成長フェーズにおける戦略として、単なる資金調達にとどまらない「大企業との資本業務提携の勘所」や、上場後のさらなる非連続な成長戦略にも言及。

「テクノロジーをどう社会実装し、未来のインフラにしていくか」——起業家が持つべき視座と覚悟について、深く問いかける時間となりました。

聴講する参加者たち

「成功する起業家は全員とにかく泥臭い、正解になるまでやり続ける」——
会場全体が佐渡島氏の言葉に引き込まれた

PANEL DISCUSSION 市場の変化を捉え、「登る山」を定める

第2部は「スタートアップ資金調達の新潮流」をテーマに、東京の"最前線"で活動するトップランナー4名によるパネルディスカッションです。モデレーターは兵庫県西宮市出身で、元ミクシィ社長・現在はVCを運営する朝倉氏。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッション 会場全景
MODERATOR

朝倉 祐介

アニマルスピリッツ合同会社
代表パートナー

PANELIST

高宮 慎一

グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社
代表パートナー

PANELIST

砂川 大

株式会社スマートラウンド 代表取締役CEO
一般社団法人スタートアップ協会 代表理事 / エンジェル投資家

PANELIST

宮宗 孝光

DIMENSION株式会社
代表取締役社長

まず議論の中心となったのは、スタートアップ・エコシステムの構造変化です。ここ10年でスタートアップへの資金流入が増加し、起業家の層が厚くなり、質も向上している点が指摘されました。特に、2回目の起業に挑むシリアルアントレプレナーが増えており、事業経験を持つ「慣れた起業家」の存在が、エコシステム全体の底上げに寄与していることが大きな特徴です。

また、近年は資金調達を前提とするハイグロース型スタートアップに加えて、スモールビジネス型の起業や、AI普及により立ち上げやすくなった受託開発・小規模サービスなど、多様な起業スタイルが生まれています。こうした多様性は、日本の起業環境が成熟し始めている証拠であり、単一のモデルにとらわれずに市場へ挑戦する時代へと変化していることが示されました。

さらに、未上場株式セカンダリー市場の台頭についても踏み込んだ議論が行われました。未上場のまま株主を増やしつつ、セカンダリー取引によって流動性を確保し、上場せずに資金調達や株主ローテーションを進めるモデルが海外で急速に普及しており、日本でも同様のニーズが高まりつつあります。

一方で、東証グロース市場改革により「IPOだけが出口ではない」時代が到来した今、起業家には資金調達のテクニック以前に、「自分たちはどの山を登るのか(どんな成功を目指すのか)」を明確にすることの重要性が強調されました。

終盤では、「東京と地域」「神戸から大きなスタートアップを生むために必要なこと」をテーマに議論が展開。スタートアップ経験の有無や蓄積の差、地方では善意ある中小企業経営者がメンターになるものの、その助言がしばしばハイグロース型スタートアップとは異なる方向性になる点などが共有されました。これらを踏まえ、VC・銀行・証券会社・監査法人・行政などの支援プレイヤーが物理的に集い、日常的に議論できる「コミュニティ」「エコシステム」をつくることの重要性が繰り返し強調されました。

STARTUP PITCH ミドル・レイターステージのスタートアップピッチ

ミドル・レイターステージ(グロース期)を迎えたスタートアップ5社と独自色を持つVC1社に登壇をいただきました。

登壇企業の事業領域の先進性はもちろんのこと、冒頭のコンセプト通り、地域にゆかりのある登壇者と地元企業とのビジネス的な親和性も非常に高いピッチとなりました。

ネットワーキングでは、さっそく新たな一歩に向けたディスカッションが始まったスタートアップも見られ、新たな出会いによるイノベーション創出につながりました。

ピッチ登壇者たち
ピッチセッションの様子

梅本 祐紀

株式会社ジェイキャスエアウェイズ
代表取締役

関西と富山・山陰地域を結ぶ地域航空会社を運営。2026年秋の就航予定で、新たな人流創出を目指す。

李 路成

Asu Capital Partners
Founding Partner

「Japan to Global」をテーマに、日本のシード期スタートアップのグローバル展開を支援する日本初のベンチャーキャピタル。

森 大樹

CAPICHI PTE. LTD.
代表取締役CEO

ベトナムで2020年にフードデリバリーサービス「Capichi」を開始し、2024年からはレストラン予約機能も加えてプラットフォームを拡大。現在、ユーザー数は24万人、提携店舗数は3000を超える規模のサービスとして展開している。

松藤 圭亮

株式会社Yanekara
代表取締役CEO

仮想蓄電所「21世紀の黒部ダム」をビジョンとする東京大学発スタートアップ。工事不要な「プラグイン蓄電池」を展開し、家庭用蓄電池に価格破壊をもたらしている。

森 雄一郎

株式会社FABRIC TOKYO
代表取締役CEO

個人の体型データ「カラダID」を活用し、体型だけでなく、ライフスタイルにもフィットする機能性オーダーメイドビジネスウェアを提供するD2Cブランド「FABRIC TOKYO」を運営。

小林 晋也

株式会社ファームノート
代表取締役

農・畜産農家向けのクラウド牛群管理システム「Farmnote」や、牛に装着するウェアラブルデバイス「Farmnote Color」などを通じて、個体管理や繁殖の効率化などに貢献する農業IoTソリューションカンパニー。

NETWORKING 交流会

ネットワーキングの様子

ネットワークセッションでは、登壇者と参加者が垣根なく交流し、新たな提携や投資の相談が各所で行われました。「ひょうご神戸」というキーワードでつながった多様なプレイヤーが、熱心に議論を交わす姿が印象的でした。

本カンファレンスを通じて、参加者は高い視座と実戦的な知見を得るだけでなく、エコシステムの重要性を再認識する機会となりました。ひょうご神戸から、次世代を担うイノベーションが加速していくことを予感させる、非常に密度の濃い1日となりました。

継続こそが、力になる。次は2026年春へ

Beyond Limitsが何より大切にしているのは、「続けること」です。

今年4月の初開催、そして今回のAutumn開催を経て、ひょうご・神戸のイノベーションエコシステムは今まさに熱を帯び、確実に広がり始めています。

Beyond Limitsは、この熱を一過性のものにせず、関西・中四国をはじめとする西日本全体をつなぐハブへと育て、さらに日本全体に影響を与えるムーブメントへと押し広げていくことを目指しています。

そのためには、私たちが集まり、語り合い、互いを刺激し合うこの「場」を進化させ続けることが不可欠です。

次回の開催は、2026年4月の「Beyond Limits 2026 Spring」を予定しています。

今回ご参加いただいた151名の皆さま、そして支えてくださったすべての関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。

ORGANIZERS 運営

主催

兵庫県 / 起業プラザひょうご / NPO法人コミュニティリンク

共催

神戸市 / 神戸商工会議所 / 三井住友銀行

後援

近畿経済産業局、株式会社神戸新聞社

協力

神戸経済同友会、神戸大学、株式会社神戸大学キャピタル、BIG Impact株式会社、ライトアップベンチャーズ、みなと銀行、みなとキャピタル、株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、株式会社MTG Ventures / 地域と人と未来株式会社、日本政策金融公庫 神戸創業支援センター、ANCHOR KOBE、関西イノベーションイニシアティブ(KSII)、ひょうご神戸スタートアップ・エコシステムコンソーシアム

NEXT EVENT

Beyond Limits 2026 Spring

2026年4月14日(火)開催予定

「続けること」—— コミュニティを進化させるために、
Beyond Limitsは走り続けます。

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